《公的保険》健康保険〜知らなきゃ損する高額療養費制度とは?〜

 健康保険の自己負担の話で、現在の日本では医療費は実際の医療費の3割負担などで、安く治療を受けることができると説明しました。

 しかし、たとえ3割負担でも医療費というのは高額なものもあるので、医療費が上がれば3割の負担でも大変な支出になります。10万円の3割なら3万円ですが、100万円の3割は30万円です。これは、貯金がない方や長期入院をした方にはキツイ負担となります。

 そういう方のために、日本には「高額療養費制度」という制度があります。医療保険に入ろうとする方の中には、この「高額療養費制度」を知らないで高額な医療保険に入ってしまう方もいるので、高額療養費制度のことを知らない人は多いです。高額療養費制度を知ってしまうと、医療保険って本当に必要なのか?と思えてくるほどです。

 

◆高額療養費制度とは?

 健康保険には「高額療養費制度」という制度があります。高額療養費制度はひと月の間に医療費が一定の金額を超えた場合に、そのお金を負担してくれる制度です。負担額は所得によって3つに分けられます。 

・「上位所得者」ーー標準報酬月額が56万円以上のもの
・「一般」ーーーーー標準報酬月額が56万円未満のもの
・「低所得者」ーーー世帯全員が市町村民税非課税者
 

 標準報酬月額とは、サラリーマンや公務員の場合は給与明細に記載されている金額と思っていいです。月給+各種手当の合計金額です。自営業者の場合は年収の12分の1の金額です。それが56万円以上ならば上位所得者、未満ならば一般所得者という区分になっています。

 70歳未満の患者の場合の。それぞれの高額療養費は以下のようになります。

・「上位所得者」ーーー150,000円+(医療費総額ー500,000円)×0.01
・「一般」ーーーーーー80,100円+(医療費総額ー267,000円)×0.01
・「低所得者」ーーーー35,400円

医療費の総額が100万円で一般所得者だった場合、

・80,100円+(1,000,000円ー267,000円)×0.01=87,430円

になります。300万円の場合は107,430円です。

 医療費が何十万円、何百万円とかかっても、実際に支払う費用はせいぜい10万円くらいです。これくらいなら、貯金をして大病に備えておけばまかなえる金額だと思います。

 

◆高齢者の高額療養費制度

 先ほど説明したのは70歳以下の方の高額療養費制度についてで、次は70歳以上の方の自己負担です。

   世帯単位(入院、外来)  個人単位(外来のみ)
一定以上所得者 80100円+(医療費総額−267,000円)×0.01  44,400円
一般所得者  44,400円   12,000円
 低所得者Ⅱ   24,600円   8,000円
    低所得者Ⅰ    15,000円    8,000円  

  一定以上所得者で、70歳以下の一般の人と同じ負担です。高齢者の方が、高額療養費制度の自己負担が少なくなっています。

 これを知れば、老後の医療費を過度に心配することもなくなると思います。                        

                        

                    

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