がん保険の営業のセールストークの中で「日本では、がんにかかる患者さんがどんどん増えてきています。これからもっと増えることが予想されますので、がん保険や医療保険に入った方が良いです」と言われたことがありました。
確かに周りでがんで亡くなった人が何人かいますが、本当にがん患者って増えているのでしょうか?
◆がん患者は本当に増えているのか?
保険会社の営業の人の話を鵜呑みにして保険に加入していたら、我が家の家計の支出はほとんど保険関係になってしまうので、本当にがん患者は増えているのか調べてみました。
すると、こんなグラフが出てきました。
これは、厚生労働省のホームページから抜粋したものです。このグラフを見ると、確かにがん患者数は毎年増えていますね。しかし、このままでは保険会社の言うとおりにがん保険に加入してしまうことになるので、今度はいったい何が原因でがん患者が増えているのかについて考えてみました。
◆人口ピラミッドから分かったこと
いろいろ調べてみたら、こんなグラフが見つかりました。
これも同じく厚生労働省のホームページで見つけたものですが、このグラフは性別、世代別の死因を表しています。グラフの黄色が「がん」なのですが、男性も女性の60歳くらいからがんで亡くなる人が増えて、80歳くらいががんで亡くなる人が一番多くなり、そこからだんだんと少なくなっていることがわかります。
次に、普通の人口ピラミッドを見てみましょう。
こちらも先ほどと同じホームページにあったものです。これを見ると、65歳くらいの世代の人たちが日本の人口で一番多くの割合を占めていることがわかります。
先ほどの死因別のグラフと人口ピラミッドを見て気がつくことがありました。
◆がん患者が増えるのは当たり前
がんの死亡者が一番増えるのは、75〜84歳くらいの間です。そして、現在、日本で一番多くの人口がいる世代である65歳くらいの人たちが75歳に向かって年をとっています。
と、いうことは、これからがんにかかる可能性が高い人達がどんどん増えるということです。そう考えると、がん患者が増えているというのは、当たり前だとわかります。
保険のセールストークってこうやって統計の数字をうまく使うので、ダマされないように注意してください。