銀行が破綻した場合には1,000万円まで預金が保護されていますが、保険の場合はそこまでの保障がなく、保険会社が破綻した場合は払ってもらう予定の保険料がかなり安くなる可能性があります。
そのため、保険に加入することを考えるときには、保険会社の経営状態をチェックして、簡単に潰れない保険会社なのかどうかを確認する必要がありますが、そのときに役に立つのが「ソルベンシー・マージン比率」です。
◆ソルベンシー・マージン比率とは?
保険の加入者にとって一番重要なことは、保険会社がちゃんと保険金を払えるかどうかですが、保険金の支払い能力のことを「ソルベンシー」といいます。そして、自己資本に対する支払い能力がどれくらいあるかということを示す指標が「ソルベンシー・マージン比率」です。
銀行にも自己資本比率という銀行が健全な経営をおこなっているかどうかの指標がありますが、ソルベンシー・マージン比率はそれの生命保険会社版のようなものです。
◆ソルベンシー・マージン比率の計算方法
ソルベンシー・マージン比率はパーセントで表され、その計算方法は
ソルベンシー・マージン比率(%)=ソルベンシー・マージン総額 ÷ 各種リスクの合計 × 100
で計算されます。
◆ソルベンシー・マージン比率がどれくらいあればよいか?
一般的には最低でも200%あるのが望ましいと言われています。ソルベンシー・マージン比率のランキングなどもネット上で見ることができますが、ランキングの上位の方では1000%を越している会社がいくつもあります。それだけ見ると数字が高ければ高いほど良いかと思いますが、実際はそうではありません。
ソルベンシー・マージン比率の水準は安全性を示してはいますが、一定以上の水準では違いを見てもあまり意味はなく、1000%より1500%の方が良いとか考えても一定以上あればそれ以上は判断がつかないので、あまり少なくなければ細かく数字を見る必要はないです。
また、新しくできたばかりの保険会社は、まだ保険契約の引き受けばかりで、保険金の支払いが少ないので、ソルベンシー・マージン比率は高く出やすくなっているということも注意しましょう。