【コラム】〜健康保険が最強の医療保険な7つの理由〜

 日本は国民皆保険制度がありますので、誰でも健康保険という名の医療保険に加入することができます。最近は、政府の健康保険の負担が大きくなり高齢者の医療負担を引き上げられたりしましたが、それでもまだまだ国民にとっては素晴らしいシステムです。

 マイケル・ムーア監督のシッコ という映画やコミック貧困大国アメリカにも描かれていますが、アメリカには国民全員が入れる健康保険というものがなく、多くの人は民間の医療保険に入っています。

 しかし、現実は高い保険料を支払っても保険金の出し渋りがあったり、提携している病院じゃないと治療費が出なかったり、ととても大変な状況です。

 それと比べると、日本の健康保険は素晴らしく、保険料の負担が多くて財政が厳しいといっても絶対に失くしてはいけない制度の1つだと思います。

 ここでは、健康保険が最強の医療保険だという理由を説明します。健康保険の保険料を滞納している人は、まずは保険料の滞納分を支払ってください。何よりも大切な費用です。

 

◆理由その1 病気の人でも入れる

 民間の保険会社は営利目的で運営されています。営利目的の保険である以上、病気の人が大勢加入すれば、保険料が高くなってしまったり、そもそも保険金の支払いが多くなって利益が出なくなってしまいます。

 そのため、基本的に民間の医療保険はすでに病気になっている人は入ることができません。入ることができる保険もありますが、診査が厳しかったり、その分保険料がかなり高かったりしています。

 日本の健康保険は日本人なら誰でも加入できます。と、いうより強制的に加入しなければいけません。しかし、そのおかげで自己負担3割という安さで、すでに病気にかかっている人でも、誰でも医療行為を受けられることができます。

 

◆理由その2 給付に制限がない

 テレビで医療保険のCMを見かけることが多いですが、その内容は「入院1日1万円」などの給付型の保障が多いです。しかし、入院1日1万円と言っても3年間ずっと入院していたら、365日×3年分×1万円をくれるというわけではなく、給付には60日、120日、180日などと限度があります。

 健康保険には限度がありません。3年入院していたけど、1年分しか3割負担が認められないなんてことはなく、3年入院していたら3年分の医療費がすべて3割負担になります。

 民間の医療保険は他にも制限があることが多いので、入る前にしっかりと確認しましょう。

 

◆理由その3 高額療養費制度がある

 これは、医療保険に興味を持って加入を検討している人は必ず知っておいてもらいたい制度です。詳しくは、(《公的保険》健康保険〜知らなきゃ存する高額療養費制度とは?〜)で説明していますが、簡単に言うと一ヶ月の医療費が高額になった場合に、自己負担分が減るという制度で、これがあるおかげで、何百万円と医療費がかかっても実際には10万円くらいの自己負担で済むという制度です。

 これを知れば、民間の医療保険の必要性を改めて考えると思います。

 

◆理由その4 立て替え払い不要

 民間の医療保険の給付を受けるには、「治療」→「治療費の支払い」→「保険金の請求」→「給付」という流れになります。ということは、「医療保険に入っているから、手持ち資金がなくても大丈夫!」というわけにはいかず、一度は自分で支払う必要があります。

 健康保険の場合は、病院で治療を受けて、窓口で保険証を見せれば、治療費の自己負担分(多くの人は3割だから1万円なら3千円)だけ払えば良いです。

 

◆理由その5 適用範囲が広い

 民間の保険にはいろんな制限があります。「この病気はこの保険の適用外なので保険料は出ません」「このがんはこのがん保険の適用外です」など、ちゃんと契約書を読んでおかないとわからなず、出ると思っていた保険金が出ないということもあります。

 しかし、健康保険の適用かどうかは病院が把握しているので、基本的には健康保険の適用の内容で治療をしてくれますし、その内容は民間の保険とは違いかなり広くカバーされています。

 

◆理由その6 新しい病気にも対応する

 民間の保険は、契約書の内容がすべてです。「3大疾病補償保険」という日本人の死因で多い「ガン」「脳卒中」「心筋梗塞」を保障してくれる保険は、その内容しか保障してくれません。

 しかし、現在30歳の人が60歳になる30年後に同じ死因が多いかはわかりません。革新的な治療方法ができるかもしれないのです。そうなっても保障内容は契約のときのままなので、変わりません。

 健康保険は、新しいものがどんどん健康保険の適用になっています。健康保険は保障内容が時代に合わせて進化する保険なのです。 

 

◆理由その7 インフレに強い

 入院1日につき1万円を給付するという医療保険がありますが、1日1万円で足りると思いますか?

 多分、現在は十分足りると思います。しかし、今後、何十年と経った時に同じ金額で足りるのでしょうか? もし、インフレが進んで牛丼一杯1,000円くらいの世の中になったら、多分一日1万円では足りなくなるでしょう。

 健康保険は「◯割」という割合負担なので、インフレにも強いです。

 

◆まとめ

 以上の理由から、健康保険は最強の医療保険だと思います。

 この日本の素晴らしい保険のことを理解して、医療保険が失くならないように政治をしっかりと監視していくことが大切だと思っています。

 健康保険は絶対に必要な保険です。命綱のようなものです。滞納している人はちゃんと保険料を払った方が良いと思います。そして、この命綱は思ったよりも太いことを理解して、民間の保険に加入した方が、無駄な保険料を払うことがないでしょう。

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