健康保険に入るともらえる「保険証」はとても便利です。
病院に行き窓口で保険証を出せば、自動的に実際にかかった医療費から自己負担分を計算してくれ、窓口では自己負担分だけ支払えば良いようになっています。
民間の保険会社の医療保険の場合は、入院して手術をしても給付金は後から支払われるので、一度自分で支払った後に請求して保険金を貰う必要があります。
高額療養費制度も同じで、一度自分で医療費の自己負担分を支払った後に請求して戻してもらいます。
しかし、このようなシステムだと、一時的にとはいえ、自分で大金を用意しないといけません。貯金があれば大丈夫ですが、貯金が心もとないときには後で返ってくるとはいえ、痛い出費です。高額療養費制度でお金が戻ってくるのはだいたい3ヶ月後だそうです。
そんな方のために高額療養費貸付制度という制度があります。
◆高額療養費貸付制度とは?
高額療養費貸付制度とは、戻ってくる金額の一定割合を無利子で借りられる制度です。
サラリーマンが加入する全国健康保険教会(教会けんぽ、旧政府管掌健康保険)は高額療養費の8割相当額で、自営業者などが加入する国民健康保険は、市区町村によって7割から10割と場所によってまちまちです。大手企業のサラリーマンが加入する健康保険組合は、組合によって制度が違うので、確認しておくといざというときに安心だと思います。
保険の請求ってなかなかすることがないので、保険に入れば必要なときにすぐお金が降りてくるというイメージですが、民間の医療保険も請求手続きをしてからでないとお金が支払われません。保険に入ったからお金の心配は要らなくなるわけではなく、医療費が高額の場合は、一度自分で自己負担分を支払うのは変わりません。
手元のお金が少ないときでも、無利子で貸してくれるのはありがたい制度です。