保険は住宅ローンのように長期にわたる支払いが続きます。1年、5年、10年はまだしも契約内容によっては、保険料を何十年も支払い続ける必要があります。
最初は払えると思って契約した保険も、長い間に仕事の状況が変わったりして、支払いが困難になるときも出てくるかもしれません。
そんなときにはどうしたら良いかを事前に確認しておくと安心です。
◆保険料を払わないとどうなるか?
保険料が払えなくなって、その後ってどうなるかってなかなか知らないですよね。保険に入る前は、まさか保険料を払えなくなるなんて考えないので、その後のことってわからないと思います。
保険の場合は、2ヶ月続けて引き落としができないと、定期保険などの貯蓄性の低い保険であれば保険契約が失効してしまいます。保険契約が失効してしまうと、保険金の支払いに該当するようなこと、例えば、医療保険に加入していた人が入院したり、がん保険に加入していた人ががんになったとしても、保険金が支払われなくなります。
◆生命保険には「自動振替貸付」がある
貯蓄性の高い、養老保険や終身保険、個人年金保険などの生命保険の場合には「自動振替貸付」というものが適用されます。
貯蓄性のある保険は、保険金を積み立てているような感じになっているため、途中で解約してもある程度のお金が払い戻されます(解約返戻金)が、自動振替貸付はというのは、保険料の支払いが止まってもいきなり保険契約が失効しないように、契約返戻金の一定の範囲を超えるまでは、解約返戻金から保険料を立て替えてくれます。
しかし、解約返戻金と言っても、まだ保険会社の手元にあるお金なので、自分のお金ではありません。そのため、貯金から引き落としという感じではなく、保険会社から借りて支払うという感じになります。そのため、利息が発生しさらに解約返戻金はどんどん目減りしていきます。
例えると、銀行に1,000万円預けていて、その銀行に借金があり、毎月10万円ずつ返済しないといけない場合に、銀行がいつの間にか1,000万円の中から毎月11万円を引き出して、10万円を借金の返済にあてて、1万円を利息としてもらうような感じです。借金は減りますが、10万円の返済で良いところを11万円払っているので、返済のスピードより早く貯金が減ることになるので、もったいないです。
このような状態に陥ったら、早急に対策を打たないと、せっかく溜まっていた解約返戻金が失くなってしまいます。
◆払済保険という方法
払済保険というものがあります。これは、解約返戻金を使って、契約期間な同じ新しい別の保険に加入するという方法です。期間は同じですが、今後の支払いが失くなるため、補償範囲が小さくなります。
例えば、契約期間が30年の保険に10年加入して保険料を支払っていて、すでに500万円の解約返戻金が溜まっていた場合、今後の保険料の支払いを無くし、解約返戻金の500万円を使って、契約期間が20年の新しい保険に入るという方法です。
完全に新しい保険に入れば良いという考えがあるかもしれないですが、払済保険に変更すると、最初の保険契約当初の予定利率が適用されるメリットがあるため、払済保険を使った方が良いです。
◆延長保険という方法
払済保険は、保障内容を削って保障額はそのままにする感じでしたが、こちらは、保障額はそのままで期間を減らすという感じです。
◆払済保険と延長保険の注意点
どちらももとの保険についていた特約がなくなってしまうので、注意してください。
◆保険契約者貸付
自分の解約返戻金を担保として、解約返戻金の一定の範囲内の金額で保険会社から安い金利でお金を借りることもできます。保険の保障内容をそのままにして、キャッシュフローを一時的に回復させることができます。
ただし、借りたお金の返済と保険料の支払いがあるので、借りる前にキチンと返済について計画をしてから借りましょう。
先ほどの自動振替貸付は、自動的に保険料に充てられてしまいますが、こちらは自分で自由にお金を使うことができるのが特徴です。
一時的にお金が足りなくなって、そこをしのげばその後はやっていける目処がつくような場合などには良い方法かもしれません。