保険会社で話を聞いたり、保険の代理店の窓口で話を聞いたりしても出てこないのがこの「団体信用生命保険」の話だと思います。なぜ保険会社や代理店で団体信用生命保険の話が出ないかというと、団体信用生命保険(通称「団信」と呼ばれます)は住宅ローンを組んだときに入る保険だからです。
◆団体信用生命保険とは?
住宅を購入するときに、多くの人が銀行でお金を借りてローンを組むと思います。そのときに必ずと言っていいほど加入するのが団体信用生命保険です。加入は自由というわけではなく、ほとんどの場合、ローンとセットになっていて、団信に入れないとお金を借りれない場合がほとんどです。
保険料はローンの金利の中に組み込まれているものや、別で支払うものなど違いがあるので、ローンを借りるときに確認しましょう。
◆どういうときに保険金が支払われる?
団信は、ローンの返済者が亡くなった時の死亡保険金をローンの支払いにあてて、その時点でローンを完済してしまう仕組みです。
万が一、一家の大黒柱が亡くなってしまっても、残された家族が家のローンをかかえることなく、安心して暮らせるような保険になっています。
こうやって書くと、ローン返済者を助けるための素晴らしい保険というイメージがありますが、返済者が亡くなってしまっても、お金の貸した銀行が貸したお金をきっちり回収できるような仕組みでもあります。
◆団信の保障額は?
団信の保障額は、住宅ローンの残高と同額になります。
例えば、4,000万円で新築住宅を購入して、1,000万円を現金で支払い残りの3,000万円でローンを組んだとしたら、団信の保障額は3,000万円になります。死亡しても住宅価格の4,000万円ではなく、3,000万円が銀行に支払われることになります。
また、保障額は住宅ローンの残高によって減ってくるので、ローン開始から20年たって残りのローンが1,000万円になったら保障額も1,000万円になります。
◆団信に入ったら保険を見直す
住宅ローンを抱えて、団信に加入すれば、もし死んでしまっても家は無借金で家族に残すことができます。ということは、残された家族は家が残されているので、家賃分の生活費は楽になるため、その分の保険は減らしても良いでしょう。
◆団信の注意点
返済保険料の遅延や滞納をすると保険失効の原因になるので、注意しましょう。
一度保険を失効させてしまうと、復活することも再加入することもできないので、注意が必要です。