保険会社って銀行みたいな感じで、なかなか潰れないというイメージがありますが、実際に、自分が入っている保険の会社が潰れてしまったらどうなっちゃうんでしょう?
もし、銀行が破綻したら預金は1,000万円までが保護されるような仕組みが出来ていますが、保険会社が潰れてしまったら場合にもそういった保障があるんでしょうか?
◆戦後に破綻した主な会社
戦後始めた破綻したのは、1997年の日産生命です。その後、1999年に東邦生命、2000年に第百生命、大正生命、千代田生命、協栄生命、2001年に東京生命、2008年に大和生命が破綻しています。
◆責任準備金とは?
保険会社には「責任準備金」というものがあります。責任準備金とは、保険会社が将来保険契約者に保険金を支払う時のために積み立てておくお金のことです。
簡単に説明すると、毎年10万円ずつ支払い、20年後に200万円の満期金がもらえるという商品があったとします。契約開始してから10年後には保険会社に100万円分の積み立てがあるはずですで、それを責任準備金と呼びます。もし、100万円を支払ったあとで保険会社が破綻することになったら、当然会社には受け取った100万円よりも少ない金額しか残っていないということが想定できます。そうなると、契約者への支払い能力が失くなってしまうでしょう。
そういうときには、「生命保険契約者保護機構」という組織が契約者を保護してくれます。
◆生命保険契約者保護機構とは?
生命保険契約者保護機構とは、保険業法によってすべての生命保険会社の加入が義務付けられている組織で、生命保険会社各社がお金を出し合って、どこかが破綻した場合に、生命保険契約者保護機構がお金を出して、契約者を保護します。
損害保険には、損害保険契約者保護機構があります。
これによって生命保険会社では「責任準備金等の90%」、損害保険会社では「責任準備金等の80%ないし90%」が保護されるようになっています。
先ほどの例で言えば、10年後には100万円があるので、保険会社が破綻しても90%が保障され90万円は確保できるようになります。
◆予定利率の引き下げとは?
すでに100万円が90万円になりましたが、ここからさらに予定利率の引き下げというものがあります。
先ほどの年に10万円ずつ支払い20年後に満期を迎える保険の例で、満期保険金が210万円だったとしたら、その金額が201万円に減額されるというようなこともあります。
こんな状況であれば、破綻した会社が再生のために公的な支援を受けてがんばると言っても、心配ですよね。契約を続けていれば、もっともっと受け取れる金額が少なくなってしまうということも予想できるので、そうなる前に解約して、現在受け取れるお金だけでも先に手元に返してもらいたいと考えると思いますが、そういう場合に「早期解約控除」というものがあります。
◆早期解約控除とは?
破綻して再出発しようとしている保険会社は、できるだけ早く資産状況を安定させたいと思っていますが、契約者としては今後が不安なので、できるだけ自分の資金を戻してもらいたいと考えます。そうなると、解約が増えてしまいますが、解約が増えると再出発しようとしている保険会社の経営がますます安定しなくなってしまいます。
契約者に保険を解約させないために行うのが「早期解約控除」で、簡単に言うと会社が破綻してからすぐに解約しようとすると、ペナルティがかせられるというものです。
日産生命のときは、1年目に解約しようとするお15%、第百生命のときは20%だったそうです。
◆破綻しない保険会社を選ぶことが大切
ここまででわかったように、保険会社が破綻すると、予定よりももらえるお金が減り、不利な状況で契約を継続しなければらいけない状況に追い込まれたりします。
そうならないためにソルベンシーマージン比率などの保険会社の指標をチェックして、経営が安定している会社を選ぶようにしましょう。ただ、ソルベンシーマージン比率とは、保険会社の財務状況が安定しているかどうかの指標ですが、発足して間もない保険会社の場合はまだ支払いが少ないので、ソルベンシーマージン比率が高くて当たり前ということも覚えておきましょう。