自動車保険は、自動車事故で他人に迷惑をかけてしまった場合に、その損害を補填するための保険という意味合いが強いです。
しかし、火災保険は他人の家に火が燃え移ってしまった場合の賠償というより、自分の家を守るための保険という意味の方が強い保険です。これには、ちょっと特殊な日本の事情が関わってきます。
◆火事の責任について
日本では失火責任に関する法律に基いて、自分の家が火元となり隣の家を燃やしてしまっても損害賠償しなくてもよいことになっています。
天ぷら油を火にかけていながら、長電話に夢中になって目を離したすきに火災を起こしたケースなど、重大な過失や故意(つまり、わざと)というケースでなければ、基本的に隣家を燃やしてしまっても責任を負うことはありません。
これは、日本は木造の家屋が多く、一度燃え広がってしまうと手が付けられなくなってしまうといったことが多かったことから、失火の責任を追及すると保障の額が莫大なものになってしまうため、その賠償の責任を負わせないようにしたからです。
◆火災保険とは?
ということは、自分の家は自分で守る必要があるということです。そこで必要になるのが火災保険です。隣の家が火事になって火が燃え移って自分の家が燃えてしまっても損害賠償を請求できないため、自分で火災保険に加入して備える必要があります。
火災保険は火事や落雷の他、風采、水災などにも対応している商品があるので、自分の地域で備えるべき災害を把握して、火災保険の内容を決めましょう。
住宅ローンを借りて住宅を購入する場合には、ほぼ強制的に火災保険に加入させられます。基本的には住宅購入時に一括で支払います。
◆火災保険の金額
火災保険の金額は、住んでいる地域と建物の構造(マンション、一戸建て、燃えにくい材料か)などによって保険料が変わってきます。
◆火災保険の注意点
以前は、どこの火災保険も同じような内容だったので、火災保険を選ぶ際にあまり考える必要がなかったのですが、最近はいろんな種類の保険があるので、購入した住宅のリスクを考えて必要な保障をつけることが大切です。
マンションだから災害には強いと思って、安い保険に入り保障の内容が少なかったりすると、水漏れを起こしてしまったときに保険金がおりずに困るというようなことも考えられます。
すでに加入している人も保障内容が十分か確認すると良いです。
なお、火災保険といっても地震が原因で発生した火災の場合には保険金を受取ることができないので、そういう場合に備えたいときは地震保険に合わせて加入しなければいけません。