自転車は今までは交通事故の被害者というイメージが強く、保険なんて関係ないという感じでしたが、最近では自転車で歩行者を怪我させたりして、多額の賠償を支払う例も出てきました。
自転車もだんだんと保険無しで走るのは危ない世の中になってきました。
そこで、自転車の保険について説明したいと思います。
◆自転車事故の賠償例
自転車事故で、歩行者にケガをさせてしまい、賠償責任や刑事責任が生じる例が増えてきています。例えば、
・「夜に無灯火で携帯片手に自転車を運転中、人にぶつかり傷害を負わせて賠償金5,000万円」
・「 通学途中に自転車で歩行者に衝突し、脊髄損傷による心身麻痺を負わせて賠償金6,000万円」
・「 車の陰で赤信号に気づかず、自転車で横断歩道に入ったところで人にぶつかり、死傷させて禁錮2年、執行猶予3年」
など、実際に起きた事故です。
万が一、自転車の事故が起きたときのために保険がありますが、その前に自転車に「TSマーク」が付いていないか確認しましょう。
◆TSマークとは?
TSマークとは、トラフィックセーフティー(交通安全)マークの略で、財団法人日本交通管理技術協会が発行しています。こちらのシールは協会認定の自転車安全整備士が点検して、安全と認めた自転車だけに張られるシールで、第1種(青色)と第2種(赤色)があります。そして、TSマークを取得すると保険が付いてきます。
◆TSマークの保険の保障内容
TSマークには保険が付いてきますが、第1種(青色)と第2種(赤色)によって保障内容が変わってきます。
・第1種(青色)
本人の保障・・・死亡時30万円、15日以上の入院時1万円
対人の保障・・・賠償責任保障1,000万円
・第2種(赤色)
本人の保障・・・死亡時100万円、15日以上の入院時10万円
対人の保障・・・賠償責任保障2,000万円
という保障が付いてきます。
ただし、保険期間は1年なので、毎年1500円程度の整備点検費用お払ってTSマークを更新する必要があります。
ただ、TSマークに保障が付いていると言っても、これだけでは保障が足りないという場合には、別で個人賠償責任保険に加入した方が良いかもしれません。 個人賠償責任保険は損保や共済などの特約で加入することができるので、加入したい方は、現在入っている自動車保険などに特約で追加できないか確認してみると良いでしょう。
また、個人賠償責任保険は加入すると本人以外の家族も自動的にカバーされる場合が多いので、子どもの事故などにも安心です。
◆自分のケガに備える
自転車の事故による本人のケガに備える場合は、傷害保険が良いと思います。
自転車事故はいわゆる「もらい事故」のケースも多いため、被害にあったものの、加害者に損害賠償するだけの経済力がないというケースでは、泣き寝入りという事態もありえます。
自分の自転車事故に備えるなら、傷害保険の方が医療保険よりも補償内容がパワフルで安心です。