《民間保険(第3分野)》先進医療特約について①「混合診療と先進医療とは?」

 先進医療を説明するには「保険診療」と「自由診療」の違い、そしてその2つの治療行為を合わせた「金剛治療」を知るとわかりやすいです。

 そして、「標準治療」と「先進医療」の違いも知っておくと先進医療特約について、より詳しくなれて、把握できると思います。

 

◆保険診療と自由診療の混合診療とは?

 先進医療の話をするうえでは、まず「保険診療」と「自由診療」の説明が必要です。例えば、アメリカでとても効果があると言われていて、日本ではまだ公的健康保険の対象になっていないがんの治療薬があったとして、普通の注射などは普通公的医療保険でまかなえますが、日本で認可されていない治療は公的保険ではまかなえません。この医療保険の対象の治療と、対象ではない治療を混ぜて受けることを「混合診療」と呼びます。

 日本では混合診療は認められていないので、混合診療をどうしても受けたい場合は認可されていない自由診療の部分と、認可されている保険診療の部分も含めて全額自己負担になります。

 ただし、厚生労働省の定める「評価療養」と「選定療養」については、保険診療との併用が認められています。例えば、差額ベッド代は選定療養に該当し、先進医療は評価療養に該当します。評価療養と選定療養については、混合診療が認められていて、通常の保険診療の部分(診察、検査、投薬、入院料等)の費用は保険適用になり3割の自己負担、そして、評価療養と選定療養については完全自己負担になります。

 

◆「標準治療」と「先進医療」

 先ほど説明したように、先進医療とは評価療養です。評価療養とはいずれ保険に導入することを前提に、その評価を行う段階の医療や医薬品のことです。先進医療は効果を測定している段階の医療行為ですので、効果が見込めなければ制度からはずされることもあります。

 保険適用の治療を「標準治療」、選定療養で行う治療を「先進医療」と言うので、標準治療が先進医療より劣っているようなイメージですが、そういうものではありません。

 標準医療は、国内外の最新の研究成果を踏まえ、最も治療効果が高いと推奨される治療法で、先進医療より劣っているというわけではないです。先進医療は現在効果を試している段階の医療で、言い方が悪いですが先進医療を受けるということは自己負担で実験に参加するようなものです。もちろん、治療の可能性があると考えられているものなので、必ずしも悪いというものではないですが、夢の様な治療法と考えるのは間違いです。

 「標準治療(保険診療)」と「先進医療」をわかりやすくまとめてみました。

◯標準治療

 ・治療の効果や安全性が確かめられている「治療」

 ・おおむね日本のどこででも受けられる普及した「治療」

 ・国によって医療の値段が決められ、どこで治療しても同じ値段の「治療」

 ・高額療養費があり、患者負担にはひと月あたりの自己負担の上限額がある

◯先進医療

 ・治療の効果や安全性がまだ確かめられていない「技術」

 ・一部の病院のみが実施している特殊な「技術」

 ・病院によち技術料が異なる

 ・保険外診療となり、技術料の100%が患者の負担となる

 「海外で普通に使われている薬が日本では使われていない」という話も聞きます。そういうときのために「先進医療特約のある保険に入ろう!」と思う方もいるかもしれませんが、そもそも先進医療も内容が決まっているため、どのような治療でも受けられるわけではありません。

・《先進医療について①》混合診療と先進医療とは?
・《先進医療について②》先進治療の実際の費用と受けられる病院は?
・《先進医療について③》先進医療を受けられる人は?

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