海外に行ったときにトラブルに巻き込まれたり、病気やケガで現地の病院で受診したりすることも考えられますが、そういった場合には思いもよらない出費が発生します。特に、医療費に関しては日本では考えられないくらい高い国もあります。
例えば盲腸の手術の場合、日本では30万円ほどですが、アメリカの場合200万円以上かかります。一応、海外の医療費も日本の健康保険が適用されるので、帰国後に申請すれば医療費の一部を健康保険から給付してもらえますが、注意が必要です。
◆海外での治療費の自己負担
海外で受けた治療の費用で給付されるのは、原則として「海外旅行で受けたのと同様の治療を日本で受けたと家庭して算出した総医療費の7割」です。
先ほどの盲腸の場合、日本では3割負担なら30万円だったら自己負担が9万円ですが、アメリカの盲腸手術で200万円かかったとしたら、一番安くて60万円。健康保険の認定しだいではもっと高くなります。
さらに、海外では保険のカバーがあることを示さなければ、治療自体を断られるケースもあります。海外旅行保険に入っていればそうした心配をクリアできるわけです。また、保険の中には日本語での通訳がつくプランや、キャッシュレスで対応もある。
ぼくも一度オーストラリアで現地の病院で診察を受けたときに、海外旅行保険を使いましたが、保険会社に連絡したら、日本語の通訳を手配してくれて、さらに現地で立て替え払いも発生しなくてかなり助かりました。
◆海外旅行保険の保障内容
海外旅行保険で保障される内容の例は以下のとおりです。
補償対象 | 補償内容 | |
---|---|---|
病気・ケガの補償 | 死亡 |
傷害死亡:旅行中のケガで死亡、後遺傷害となった場合 |
治療費 |
傷害治療:旅行中のけがによる治療費 |
|
救援者費用 | 旅行中に入院し、家族が編地にかけつけた際などの費用 | |
他人への賠償責任 | 誤って他人にケガをさせたり他人のものを壊した際の賠償責任 | |
携行品損害 | 身の回りの持ち物が盗まれたり、壊れた場合の損害 | |
航空機遅延費用 | 航空機が遅れた際の、予定外の宿泊代や食事代 | |
航空機預託手荷物遅延等費用 | 航空会社に預けた手荷物の到着が遅れたため、着替えなどを購入した際の費用 | |
保険料の決まり方 | 渡航先や旅行日程等によって異なる。保障額が異なる複数のプランから選択したり、オーダーメードで補償設計できる。 | |
保険活用の注意 | 空港で契約可。インターネットで契約すると、割安な保険料で、出発。当日でも契約できるところもある。 |
ただし、これは一例なので、保険に加入する前に事前に保障内容を確認してください。
一番心配なのが病気やケガで病院に行くことなので、日本語のガイドの手配のサービスと、キャッシュレスで診察、治療が受けられるタイプの保険がオススメです。
◆クレジットカード付属の海外旅行保険の注意
クレジットカードに海外旅行保険が付いているものもたくさんあります。しかし、ここで注意しなければいけないのは、クレジットカード会社によっては、そのクレジットカードで旅行代金を支払いしないと保険が使えない場合があるということです。
「クレジットカードに保険がついてるから大丈夫!」と安心する前に、一度クレジットカード会社の規約を確認してみてください。
◆年齢が高いと契約できない
海外旅行の障害保険は年齢制限があり、代理店の窓口では80歳まで、ネットでの加入は70歳までとなっています。
年を取ればケガや携行品の紛失など事故になる可能性が増えるので、早めに入ることができる保険を確認しておきましょう。
◆何日前までに加入するのか?
通常3ヶ月を超える旅行期間の場合は、7日前までに申し込みをすることができますが、3ヶ月よりも短い期間のものについては、飛行機に乗る直前に空港に保険の自動販売機があり、そちらで手続きをすることができます。
海外に到着してしまったら加入できないので、日本にいるうちに手続きをしておきましょう。