《おすすめ保険の選び方》保険の成り立ち〜損害保険の歴史〜

 損害保険と言えば、「火災保険」や「自動車保険」が一番身近な保険だと思います。

 しかし、損害保険の元は「海上保険」と呼ばれる船の積荷にかけられた保険が起源になっており、そのため「東京海上」などのように保険会社の名前に「海上」という文字が残っています。

 海上保険から始まった損害保険は、火災保険、自動車保険などに発展し、現在ではビジネス関係の保険や地震保険など商品が多様化しています。

 

◆古代から中世の損害保険

 生命保険も古代から似たような仕組みがありましたが、損害保険も紀元前から似たような仕組みがあります。損害保険は海上保険から始まります。

 昔は今と比べて船が沈んでしまうことが珍しくなく、船が沈めば載っていた積み荷もすべて沈んでしまいます。そうなったときの損害をみんなで助け合うような仕組みの原型を、古代のフェニキア人も持っていたと言われています。

 そして、そのようなシステムが中世ヨーロッパで地中海貿易と共に発展し、やがて海上保険というものが生まれていくことになります。

 海上保険の他の代表的な損害保険に火災保険がありますが、火災保険は世界3大大火の1つと言われる1666年のロンドン大火を契機に火災保険が形成されていきました。

 

◆日本の損害保険

 日本でも江戸時代には海上請負という制度がありました。

 この制度は、積荷の運賃を割高に設定する代わりに、積荷に損害があった場合には海運業者が損害を補填するというシステムです。

 そして、明治時代に入ると生命保険のシステムを紹介した福沢諭吉の「西洋旅案内」によって同じようにヨーロッパの損害保険が紹介され、1879年に東京海上、1888年に東京火災が設立されました。最初は貨物の取扱いだけだった海上保険も、その後船舶保険へと拡大しました。

 戦後、高度成長期に入り家庭に自動車が普及すると、損害保険会社は自動車保険を取扱いしはじめ、1955年には自賠責保険の加入が法律で義務付けられました。

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